2016年本屋大賞発表/その翌日に受賞作品の広告が出ている理由とは?

全国の書店員が「今いちばん売りたい本」を決めるという『2016年本屋大賞』の発表会が4月12日、東京都内で行われ、宮下奈都氏の『羊と鋼の森』(文藝春秋)が大賞に選ばれた。同賞は今年で13回目。過去の大賞作品やノミネート作は映画化、ドラマ化されて話題になっている、とか。
【2016年本屋大賞】宮下奈都氏『羊と鋼の森』に決定 又吉『火花』は大賞逃す | ORICON STYLE


本屋大賞の本来の目的は、そのスローガン『全国の書店員が「今いちばん売りたい本」を決める』にあるように、出版社主導の作品が注目される直木賞や芥川賞などのメジャーな賞に対抗して、あまり売れていない・注目されていないけれど現場の書店員たちがお客様にぜひ読んでほしいと願っている作品を選び、その知名度向上を狙ったもの……と個人的には思っていました。

実際「NPO本屋大賞について | 本屋大賞」で紹介されている、本屋大賞の「設立趣意書」には、以下のようにありました(太字部分は、私による強調)。

出版市場は書籍、雑誌とも年々縮小傾向にあります。出版不況は出版社や取次だけではなく、もちろん書店にとっても死活問題です。一方、出版点数だけは年間7万冊と年々増え続け、読者である一般市民にとっても膨大な新刊書籍の中でどの本を読んだらいいのか、送り手である出版社の一方的な情報だけでは判断できにくく不利益な状況にあります。
 そういった状況の中で、商品である本と顧客である読者を最も知る立場にいる書店員が、企業の枠や日常の利益を超えて交流し、広く一般市民に対して本当にお奨めしたい書籍の情報を啓発する手段として本屋大賞を設立しました。


だから以前に、リリー・フランキーさんの『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』が2006年・第三回本屋大賞を受賞したと聞いたときには、「いや、もうすでに大ベストセラーやん!」と違和感を覚えたものでした。

その後の受賞結果を見ても、『全国の書店員が「今売れている本の中から売りたい本」を決める』賞になっているなぁと思っていました。しかし今回、本屋大賞のノミネート作品の一覧を確認してみたら、第一回から「今売れている本の中から売りたい本」を決めていたのかな? という気も……。
これまでの本屋大賞 | 本屋大賞


ちなみに第一回は、いまほど大きくテレビや新聞などで取り上げられてはいなかったと記憶しています。それが今や、NHKのニュースにまで大きく取り上げられるようになるとは。継続することは大切ですね(B級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」も、そんな感じですよね?)


ところで、4月12日の夜に発表がありましたが、翌日のきょう13日の新聞広告に、さっそく「本屋大賞第1位」というキャッチコピーとともに『羊と鋼の森』が掲載されていたのですが……これって早すぎなのでは? この手の広告欄に載せるには、掲載日の2日ぐらい前には原稿をだしておく必要がある、というようなことを『週刊文春』のスクープ関連のニュースで聞いたことがありますが(だから文春の発売日前に、スクープ記事の情報がどうしても事前に漏れてしまう、とか)。


本屋大賞発表の翌日に掲載されていた『羊と鋼の森』の宣伝広告(産経新聞のもの)
本屋大賞発表の翌日に掲載されていた『羊と鋼の森』の宣伝広告(産経新聞のもの)


調べてみたら、本屋大賞はまず、一次投票が「2015年11月1日~2016年1月3日」に行われ。その集計の結果、上位10作品が「2016年本屋大賞」ノミネート作品として決定。その後、二次投票が「2016年1月20日~2月29日」にかけて行われるとか。

ということは、4月12日の発表の1ヶ月前には集計も済み、本屋大賞をはじめとするすべての賞が決定しているはず? 発表まで1ヶ月は、各作品の宣伝などの段取りを整える期間……ということでしょうか? ならば、発表翌日の新聞広告に、キャッチコピーと共に大賞作品の宣伝が出ているのも当然ですね、なるほど! と個人的には納得したのですが、合っているのかどうか……。

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